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化粧品事業成功の秘訣とは? 業界歴30年以上の行政書士がわかりやすく解説!
−知っておくべき「化粧品」の役割と化粧品が具備すべき機能とは?−
昨今、多くの企業様が新規事業として化粧品ビジネスに進出されていますが、その化粧品ビジネスで成功するには、まず扱う商材について基本的な知識をよく理解しておくことが大切です。
そこで、大きな可能性を秘めた商材、「化粧品」とは何か? まずそのテーマについて説明をしたいと思います。
「医薬品医療機器等法(旧薬事法)」第2条第3項では、「化粧品」の定義を次のように定めています。
(「化粧品」とは)「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。」
ただ、「化粧品」について、法令の定義の内容を語っても仕方ありませんので、ここでは「化粧品」という商材のもつ特徴、性格など、ビジネス上の観点から説明をしていきたいと思います。
「化粧品」の歴史は大変古いもので、神代の昔から人は化粧をし、平安貴族は顔におしろいを塗り、古代エジプトでも女性は見事なまでのアイメイクを施しておりました。
「若くありたい」「綺麗でいたい」といった願望は人間の本能に基づくものであり、「ヒト」というものが存在する限り「化粧品」は常に存在し、そして決してすたれることのない、とても強い商材であるということが言えます。
では、一般的に「化粧品」という商材にはどのようなものがあるのかという、当たり前のようなことですが、それは機能的に以下の5つに分類されています。
★ 化粧品の機能的分類について 〈表1〉
この5つの分類にあるものが、現在、世の消費者の方々に使われている「化粧品」となります。
また、これらの分類において、国の違いによっては消費者が求める製品の需要が違います。
例えば、お肌が元来弱く、衰えが目立ちやすい人種などの場合、その衰えを隠し、外見を着飾ることに重きを置くようなお国柄などの場合はメイクアップに対する需要が多く、それらの国の企業では、すぐれたメイクアップ製品などが盛んに開発されます。
また、体臭が強い人種が多い国などでは、フレグランス系の化粧品の需要が多かったりします。
では、日本はどうかというと、日本の女性の肌は世界でも有数の美しいもので、そのため、他の国と比べても、日本の女性はお肌のお手入れをとても大切にするお国柄と言えます。
つまり、日本では他国と比べ、「スキンケア化粧品」の需要が圧倒的に多い国ということが言えます。
また、「緑の黒髪」「髪は女性の命」といった言葉がありますが、毛髪を大切にする国として、優れた毛髪用化粧品の需要も日本では非常に高いということが言えます。
メイクアップ化粧品においては、比較的年代層の若い女性からの需要が日本では多く、最近では女性も外に出て働くことが当たり前になっていますので、今後は欧米先進国のような需要が生まれ、販売比率も拡大していく商材であると言えます。
さて、次に「美と健康に果たす化粧品の役割」についてご説明していきたいと思います。 〈表2〉
表2にありますように、化粧品には大きく分けて7つの役割があります。
この中で、特に最近では外に出て働くようになった女性が増え、あるいはパソコンの普及などによるストレスの増加などから、「リフレッシュ」、「QOL(Quality of Life )」の観点や、ストレス軽減などの役割の意味合いが強くなってきていたりします。
また、化粧品の役割のメインともいえる、「外界の厳しい環境からの生体の防御と恒常性維持」において、やはり外界の厳しい環境とは「乾燥」と「紫外線」がメインであり、この2つの大きな刺激からお肌を守り、保護することが化粧品の役割の大きなポイントになります。
何故なら、「乾燥」「紫外線」による刺激が最もお肌を痛め、老化させる要因であるからです。
加齢による皮脂膜(「天然のクリーム」とも呼ばれます)の減少、生体機能の低下などから皮膚細胞内の水分が不足すると、潤いのないカサカサな肌になる、シワが目立つ、ハリがなく衰えが目立つ、といった状態になり、さらに紫外線対策を施さないとお肌の老化が一気に加速度を増して進んでしまいます(これを「光老化」と呼びます)。
現在、市場に流通している基礎化粧品(スキンケア化粧品)は、この「乾燥」と「紫外線」(光老化)からお肌を保護するためのものといっても過言ではありません。
したがって、この対策のために効果的な成分が配合された化粧品、訴求効果のある化粧品などが開発できれば、ヒット商品になる可能性が非常に高いものになるということが言えます。
また、化粧品の販売をおこなう事業とは、「もの」を売るのではなく、「憧れ(あこがれ)」や「夢」を売るものであるという考え方や姿勢が重要です。
何故なら、そこには「綺麗になりたい」「若くありたい」「素敵な女性(あるいは男性)でありたい」といった願望が存在し、それを叶えることが実感でき、あるいは期待できる製品であるべきものが「化粧品」であるためです。
さて、次に「化粧品が具備すべき機能について」見ていきたいと思います。 〈表3〉
化粧品が具備すべき機能は、表3にあるように大きく分けて5つあります。
最近では「環境性(地球に優しい)」といった、新たな機能が求められ、「3R」、つまり「Reduce・Reuse・ Recycle」といった性能や、環境に優しい原料開発といったことが化粧品メーカーにおける製品開発にも盛んに取り入れられるようになりました。
また、その他の具備すべき機能は表3にまとめましたが、例えば化粧品市場で大きくヒットしている製品とは、この5つの機能の中でどれかが化粧品の消費者の方々の中で大きく受け入れられ、認められた結果によるものであるということが言えます。
表3の中では、「☆どの部分で差別化を図れるか、抜きんでることが重要!」と表現しましたが、この5つの機能を理解したうえで、何の機能を重視し、大きな特長を設け、市場に流通している他の製品と差別化が図れるようにするかが重要なポイントとなります。
次に「化粧品事業の発展に不可欠なもの」というテーマで、そのポイントを見ていきたいと思います。 〈表4〉
大きく分けて4つのポインを記載させていただきましたが、弊職は表4の中で2)と3)は重要なポイントであると考えています。
どんなに優れた製品であっても、売り手側の情熱や信念がないと事業は発展しないと思われるからです。
これは弊職の経験によるものですが、前職、化粧品会社時代に勤務していた当時、とても優れた製品を開発できても売る側のスタッフに強い情熱や自信がないと売上はなかなか上がってきませんでした。それは、例えばパンフレットやホームぺージなどの広告の媒体物をつくったとしても、情熱や自信がないとどうしても訴求効果が弱いものになってしまったりし、そこからは製品の魅力が感じられず、結果的に効果的な広告や宣伝ができないことになってしまいます。
「化粧品」とは、売れるのを待つのではなく、売っていくために工夫する″素材であり、商品であるということが言えます。しかし、ひとたび消費者の方々に受け入れられると、加速度を増して販売数が伸びていく商材であるということが言えます。そのためには、売り手側が自社の開発した製品に自信を持ち、さらにその製品をこよなく愛しているといった姿勢が重要なポイントとなります。
また3)のポイントが重要であるのは、「化粧品」における女性の能力とは、男性が理解できない範疇の特殊な能力であると弊職は考えております。
例えば、製品の使用感や香りに対する反応、あるいは意見、使ってみたい化粧品とはどんなもの、またパッケージデザインに対する感覚など、男性だけでは、まず優れた製品を市場に送り込むことが困難であると思います。
さらに、事業を大きくしていくうえで、この女性がもつ独特の感性を伸ばし、指導していけるのは、やはり女性であるということが言えます。
前職の会社においても、創業者社長は大変この女性の能力を大切にし、重用しておりましたが、そのことが、前職の会社が創業期から倍々のペースで売上を伸ばし、そして一部上場企業まで発展できた重要な要素であったことは間違いありません。
次に4)の知見の活用についてですが、他の業種でも同様のことが言えると思いますが、化粧品事業をおこなうなら、化粧品事業に精通した経験者の知見を徹底的に活用することが発展の早道です。
前職の会社も全くの異業種からの化粧品事業進出でしたが、創業の頃は化粧品他社メーカーの経験者(知見)による販売制度の考案、製品の開発などに力を入れ、事業のスピードを早めると同時に効率的な経営をおこなうようにしていたことは間違いありません。
成功とは「上手に真似をして、それを自分のものにしていくことである」という言葉がありますが、そのことを最も早く実現するには「知見(専門家 経験者)の活用」が必要であり、特に化粧品ビジネスではこのポイントが重要となります。
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